日本経済新聞 Web版(4月18日付)は、通信制高校「ルネサンス高等学校」を運営するルネサンス・アカデミーが、同校が取り組むスマートフォンを活用したデジタル学習の効果と展望について、デジタル教科書教材協議会で発表したことを報じた。取り組みの成果はいかほどだったのか----代表取締役社長であり同校の校長である桃井隆良氏が講演を行った。
同校では、2007年から携帯電話を利用した学習システムを展開。高校生にとって最も身近なツールである携帯電話を使い、択一式の問題を解答・採点して学習する仕組みを提供してきた。2011年からは、学習端末としてのスマートフォンの可能性に着目。米クアルコムの社会貢献プログラム「Wireless Reachイニシアチブ」の支援を得て、「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトを開始した。
同プロジェクトでは、米クアルコムからの資金援助の下、同校が生徒約200人にスマートフォンを無料で提供(通信費は除く)。個人で端末を所有する生徒を含めると、約1000人がスマートフォンを利用した学習を実践した。独自に英語の基礎演習アプリを開発し、通信制の基本となる自学自習とレポートの提出を、スマートフォンを通じて行った。「紙と郵便を使った通信教育と違って、即座にレポートの添削やフィードバックが可能なのが利点。非常にスピーディな学習が行える」(桃井氏)。
今回発表したのは、こうした2011年度における英語学習の効果だ。2011年度後期試験の結果について、携帯電話で学習した生徒と、スマートフォンで学習した生徒を比較した。すると、携帯電話を使った生徒の平均点が70.8点だったのに対し、スマートフォンを使った生徒の平均点は77.3点となり、スマートフォンの方が学習効果が高いことがうかがわれた。また、回答時間についても、スマートフォンで学習した生徒の方が早かったという。
引用元:日本経済新聞 Web版「「電子教科書はスマホから始まる」、ルネサンス高等学校が発表 」(4月18日付)
このほか、桃井氏は「スマートフォンだけでなくパソコンやタブレット端末、スマートTVなど状況や必要性に応じて学びたいもので学べるほうが良い」とコメントし、その中でも最も広がりをみせ、"誰もが持っている"ものがスマートフォン端末だと述べ、電子教科書はスマートフォン端末から始まるという考えを明らかにした。
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