CHUNICHI Web(2月4日付)は、静岡県が発達障害をもつ生徒の教育を目指し、高校の開設を計画していることを報じた。閉校になった高校の校舎を利用し、今秋からモデル事業をスタート予定。
現状では、発達障害をもつ生徒への支援教育は中学で途切れてしまい高校に進学しても不登校や中退といった事態に陥るケースがほとんどだ。こうした事態を打破するために、継続支援を行う。
モデル事業の対象になるのは、中学で特別支援学級に在籍した生徒や、高校になじめず退学したり、不登校になった生徒ら。
他人とのかかわりが苦手な発達障害者に配慮し、通信制が基本。対人関係の対応を学ぶ専門家のカウンセリングや、農業、陶芸などの実習体験を取り入れ、自立して社会参加する能力を身につけてもらう。
2011年度は、保護者のニーズや、特別支援教育に関わる教員、医療関係者の意見を踏まえつつ、数十人規模で試行的にスタート。効果を検証しながら、13年ごろの高校開校を目指す。
知的な遅れを伴わない発達障害者は現行制度では、小中学校に設けられた特別支援学級などで教育が受けられるが、高校にはそうした学級がなく、知的障害者らが対象の特別支援学校の高等部にも入学できない。
文科省の全国的な抽出調査(08年度)によると、高校進学者の2.2%が発達障害者ら。毎年2%前後の生徒が中退しており、この中に発達障害者も多く含まれるとみられる。
発達障害の生徒を専門的に受け入れる高校の開設を求める声は、保護者らの間で強まっており、09年の静岡県議会12月定例会で、岩瀬護県議が設置を提案。川勝平太知事は「適応できず退学した生徒が再チャレンジできる仕組みが必要」と答弁していた。
引用元:CHUNICHI Web「全国初 発達障害者向けの高校開設へ 県、支援教育の継続目的」(2月4日付)
発達障害をもつ生徒が十分な教育を受けるためにも、是非とも応援したい。今度の動向にも注目だ。
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