西日本新聞(12月23日付)は、長崎県立佐世保中央高校(佐世保市)の通信制2年、出口久美子さん(50)が「私の主張」コンクールにおいて、最高賞である文部科学大臣奨励賞を受賞したことを報じた。
出口さんは家庭の事情で中学卒業後に和裁士として働き、結婚後は3人の娘に恵まれた。しかし、三女が高校へ入った2年前に目にした参考書がきっかけで夢に描いていた大学進学を思い出したという。三女の参考書にはまるで暗号のような数式が並んでおり、学び続けていれば勉強を教えることもできたのでは、と考えた。
「このまま人生を終えていいのか」。自問自答しながら、ふと立ち寄った図書館の自習室で、年上の人たちが真剣にペンを走らせていた。「再び学びたい」。不安はあったが、49歳で通信制高校への入学を決めた。
高校では通信制とはいえ、月に6、7日は授業のために通う。生活のためアルバイトに忙しい若者や大学受験を目指す65歳の男性。意欲を持った同級生たちを励みに、自宅でも数式を書いた紙を冷蔵庫に張り、夕食の鍋が沸騰する合間に漢字の単語帳をめくった。未知の世界に触れることに心が満たされていった。
「こんなに勉強が楽しくて面白いなんて、中学時代に感じたことはなかった」。作文にはそう記した。出口さんは本紙の読者コラム「紅皿」への投稿を重ねるなど、その意欲は学校内だけに収まらない。
1年後に卒業した後も出口さんは、いつまでも時間を見つけて机に向かう姿勢を持ち続けたいという。その思いは作文の最後にある。
「この人生が終わるまでは私の大切な未来だ。さあ、今日も勉強の時間を確保するために家事も仕事もがんばろう」
引用元:西日本新聞「50歳高校生作文で最高賞 佐世保中央高通信制2年の出口さん」(12月23日付)
新しい知識を吸収したり、未知の世界に飛び込み楽しんでいる人はとても輝いてみえる。そこに「年齢」というものは存在しない。老いも若きも、こうした姿を是非参考にして欲しい。
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